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アミノ酸を結晶としてアスパラガスの芽の抽出物から取り出すことに1806年にフランスの学者が成功しました。このときのアミノ酸の結晶が「アスパラギン」です。 

また、うまみ成分として有名なグルタミン酸は、ドイツで1866年に小麦粉のたんぱく質であるグルテンから取り出され、グルタミン酸と名づけられました。 うまみ成分「グルタミン酸」ってアミノ酸? 

調味料にうまみ成分として使われているものは、グルタミン酸にナトリウムを結合させた、グルタミン酸ナトリウムです。これは、昆布のうまみ成分の研究から発見されたものです。グルタミン酸ナトリウムとグルタミン酸は別物です。 

ちなみに、アミノ酸の中でも、アスパラギン酸やグルタミン酸はうまみと酸味があります。例えばトマトを食べた時の味には、この2つのアミノ酸は欠かせないもので、しかもアスパラギン酸とグルタミン酸が1対4の割合で含まれているときが一番トマトらしい味になるそうです。 


日本料理では、「ダシ」をかつお節や昆布でとることが基本で、料理の決め手はダシの旨さといえます。ダシの旨み成分の研究は、昆布の旨みがグルタミン酸にあることを池田菊苗博士が1908年に発見したことに始まります。
それ以来、アミノ酸と食べ物の味の関係が注目され、アミノ酸には、この旨みの他に、甘味、酸味、苦味などのあることがわかりました。また、アミノ酸が数個つながったもの(ペプチドという)にも、アミノ酸と同じく様々な味のあることがわかってきました。従って、食材の味、美味しさがペプチドアミノ酸の種類と含量に密接に関係していることはいうまでもありません。
雲丹、蟹、トマト…アミノ酸の力によるおいしさの代表例です。ちなみに、欧米には旨みに相当する適切な言葉がなかっただけで、味わい分けることはできるとのことです。今では、この旨み(umami)というのは、実は日本発の味の表現、世界の言葉ともなっているのです。 

ところで、牛乳、大豆、肉、魚といった食材には、アミノ酸の集合体であるタンパク質が多く含まれています。本来、タンパク質には味がありませんが、その一部が分解されてペプチドやアミノ酸が生成するとますます美味しさが増すことになります。取れたての魚の刺身や、処理して間もない肉より、少し時間をおいた方が旨みが増すということは、この理由によるものです。
なお、ペプチドアミノ酸の生成は、肉や魚の細胞中のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)の機能によるものです。 

もっとも人間は、保存性をより高める為に、食材をより美味しく食べるために、数千年も前から、多くの知恵と技術を生みだしてきました。発酵食品がその代表ということになります。

納豆、醤油、味噌、塩辛、アンチョビ、チーズ……。
これらの美味しさの秘密もタンパク質の分解により生ずるペプチドやアミノ酸に深く関係しています。製造の主役は微生物で、それらが生産するプロテアーゼがタンパク質を分解し、美味しさを生成しているのです。ペプチドやアミノ酸は美味しいばかりでなく薬理機能や体の代謝調節機能なども持っています。

発酵食品はアミノ酸ペプチドの宝庫であり、我々研究者にとっても宝の山なのです。
食べ物の美味しさの成分は他にもあって、アミノ酸とは異なる物質もかつお節の旨みには含まれています。 



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